蹂躙されるウイグル人の人権(1)

世界地図を見れば当たり前のようにウイグル自治区が中国の一部として塗られている。
世界史の教科書にはウイグル人の遺跡である敦煌がまるで中国の文化遺産であるかのようにカラー写真つきで解説されている。
日本人にウイグルが中国領であると刷り込ませるためだ。
中国の西方に位置するウイグルはもともと東トルキスタン共和国という名の独立国家だった。イスラム教徒であるウイグル人の民族国家は中国に統合され、1955年に新疆ウイグル自治区となった。
中国はこの後、ウイグル人との約束を一切破棄し、ウイグル人に対する過酷な人権弾圧を始めた。ウイグルには毎年15万～20万人の漢民族が移民され、一方で毎年８万人の独身女性（19歳から25歳）が中国沿岸部へ強制的に連れて行かれる。ウイグル人女性は工場に缶詰にされ、何の自由も与えられないまま一日中労働させられ、漢民族と結婚させられる。

ウイグルでは2005年、大学から幼稚園に至るまでウイグル語の教育が禁止された。
中国はウイグル人の土地に眠る原油などの資源を獲得し、その一方でウイグル人の文化やアイデンティティを滅ぼそうとしている。
平和的なデモに参加しただけのウイグル人が中国の武装警察によりなぶり殺しにされてきた。
刑務所の待遇も劣悪で、政治犯としてとらえられた多くの人々が拷問で命を落としている。後ろ手に縛られ電気ショックをを与えられたり、鼻から唐辛子の液を入れられたり様々な拷問が日常的に行われている。

そして2009年7月にも平和的なデモに参加したたくさんのウイグル人が中国の武装警察や軍隊により虐殺された。デモの原因は6月26日に広東で強制的に労働力として連れてこられたウイグル人が漢人にリンチされ、なぶり殺しにされたことにある。
それにもかかわらず日本国内のメディアは中国新華社通信を通じて中国共産党が垂れ流すプロパガンダ映像をそのまんま報道している。そこではまるでウイグル人がテロリストのように報道され、漢民族が被害者のように報道されている。
しかし真実は全く逆だ。
広東で強制労働させられているウイグル人800人を6000人の漢人がリンチにより殺害し、ウイグル自治区内でのウイグル人死亡者はすでに3000人を超えているという情報すらある（東トルキスタン亡命政府）。
まるで中国共産党の傀儡放送局のような報道を垂れ流す日本のメディアに存在価値はあるのだろうか。